ドリフェス!の音を世界中に響かせたい

 

 大学受験のとき、ストレスで突発性難聴になった。元々中耳炎になりやすかったので、予備校に通っていた当時は最近なんだか痛いけどきっと中耳炎だろう、今の期間が終わったら病院に行こう、とストレスの種であるギスギスした予備校に通い続けた。
1か月の集中講義が終わり病院に行くと、先生から突発性難聴だ、発症から3週間が治療の期限で、今はもうギリギリの状況だ、と言われた。
予備校の教室が嫌いだった。まあ好きな人なんていないと思うが、私の通っていた予備校はずっと通っている人が夏期講習だけ受ける人のことを集団で馬鹿にしていたので、もうその空間に耐えられなかった。行き帰りのバスと電車では毎日、小学生の頃好きだったHello!projectの楽曲を聴いた。「ここにいるぜぇ!」を聴けば自然と涙が出るけれど、今日も頑張って起きた、歩いた、勉強した、ちゃんと家に帰ってる、と自分を肯定できた。
小学生当時、パソコンのない、出かける習慣のない私の家ではハロモニ。という番組でしかモーニング娘。を追えなかったから、地域でのハロモニ。の放送打ち切りとともに私はモーニング娘。Hello!projectを知ることができなくなった。
そのHello!projectに再会したのは、高校生になり携帯を持ってからだ。たまたま動画サイトでライブ映像を見つけて、クラスでいじめにあっていた私は歌詞の力強さにあてられてダバダバ泣いた。勇気づけられるというレベルでなく、生き方をもらった。あの時から私は、大好きなテニミュ青学8代目が卒業した時でさえ死のうと思うことはなくなったのだが、一昨日久々に心から「死のうかな」と思った。
ドリフェス!が終わってしまうというから。

 

予備校のせいで患った難聴は幸いにも完治した。元々聴力が良かったので言われなければ気づかないまま片方だけ聴こえなくなってただろうけど、無事に同じくらい聴こえるまでになった。家族で行く予定だった富士急に父親と妹だけで行き居残りになったことは一生根に持つけど、母が家に残ってくれて作ってくれた豪勢な料理はとても美味しかったのでまあいい。
高校から大学にかけて、いつも生活のそばにはHello!projectの楽曲があった。それから高校の途中にミュージカル『テニスの王子様』にもハマっていたから、毎日ポジティブな楽曲を浴びて生活した。
おかげで自己肯定力のやたらある、明るいだけが取り柄みたいな人間になった。すごく生きやすい。だいたいなにが起きても平気だった。
でも、ミュージカル『テニスの王子様』ですごく入れ込んだ青学代が思っていたより随分早く卒業するということで、ひどく落ち込んで、それでも悔いのないように卒業公演には足繁く通った。
テニミュの青学卒業というのは、発表された時にはもう次の代が決まっている。だいたい卒業公演のゲネを観に来ていて、卒業が近付くと次の代の発表がある。最近は卒業セレモニーの場に次の代が出てくることはなくなったし、私の好きな代もその代だけの公演で終わった。
青学代として好きだったけれど役者としても好きだったので舞台には行くけれど、やっぱりテニミュの彼らが好きだったからあの時ほど熱はあげられない。その代の間のやりとりがある、というたまに出る情報で小躍りする日々だ。

 

ドリフェス!はこのテニミュロスの、虚無の心を上手く包み込んでくれた。
私の生活を彩る楽曲はHello!projectドリフェス!になった。

 

テニミュもたまに聴くけれど、やっぱりミュージカルの楽曲だから気持ちがのっていないと全然聴けなくて、テニミュキャストを推すこともなくなったからテニミュ楽曲が全部聴けるテニミュモバイルも退会した。iTunesのシャッフルでCDが流れるとああ好きだなあ、と浸ったりする程度。そうは言ってもテニミュ好きだから公演には毎回行くけれど。一般的に毎公演5回観てる人はテニミュオタクだと思う。

 

ドリフェス!の楽曲の構造はハロプロに似ている。要は、私が理想とするアイドルと楽曲の関係。
ハロプロは楽曲を作る人、つんくさんが、ハロプロメンバーをよく見て、または自分の作りたい音楽とハロプロメンバーを照らし合わせて楽曲を完成させていく。
基本的にライブサウンドを前提に作られていて、Juice=Juiceの「ロマンスの途中」は大サビでファンが跳べるように派手なインパクト音が入っている。これはファンの具合を知っているつんくさんだから出来たことだ。
歌詞はメンバーを見たり日常を経て書くから、メンバーはもちろんファンも親しみやすくてなんだか元気が出る。
メンバーの名前が入っていることもあるけれど、すごく自然で、かつリズムとメロディに気持ちよく乗るからすぐ口ずさみたくなる。
メンバーから受けた刺激を歌詞に反映させて、メンバーは貰った歌詞を自分の決意として、意思として歌に乗せる。
それがファンに届いて物語性のある、アイドルらしい楽曲世界になる。
アイドルの歌というのは楽曲の世界観とアイドル自身のバックボーンと世の流れが合わさったタイムカプセルだと思っていて、この空間に、コンサートで歌い継ぐことで思い出が重なって、苦悩が重なって、喜びが重なって、良い曲に育っていくのだと思う。

 

ドリフェス!の楽曲も、物語性の強いものが多い。でもドリフェス!がそもそも物語を持っていて、メンバーも濃い人生を歩んできている。そしてファンも感受性がやたら豊か。そしてなんといっても、作詞陣がメンバーをよく見ているのだった。
ドリフェス!の楽曲はまさに宝箱のようだ。
DearDream 1stアルバム「Real Dream」を手に取った時の衝撃は忘れられない。
アプリを始めた当初、キラキラ一辺倒みたいな曲にまぁこんなもんかな、とナメてかかっていた自分。それを一蹴して、むしろ引きずり込んでのたうち回らせたのが「ユレルMIDNIGHT」だ。もう何回やったかわからない。たくさんやった。「ユレルMIDNIGHT」だけを叩き続けた日もあった。大好きだ。それからこんな曲もあるのか、と驚いた自分はいつしかキラキラした曲も大好きになっていたし、ドリフェス!の煌めきの中に一瞬感じる寂しさみたいなものにも惹かれた。つんくさんの言う、「日曜日にサザエさんを見ている時の感覚」だと思う。
私がモーニング娘。で一番好きなアルバムは4th「いきまっしょい!」だが、これと並ぶほど「Real Dream」が大好きだ。
なぜなら「ユレルMIDNIGHT」がフルで入っているし、しかも曲順がライブセットリストのようになっている、という大好きなやつだった。このアルバムに入っている曲は全部大好きだ。


このアルバムは表題曲の「Real Dream!」から始まる。
ドリフェス!は2次元+3次元の5次元アイドルだが、5次元アイドルらしくキャラクターとキャストの名前が入っていた。ドリフェス!プロジェクト全体の主題歌みたいな歌だ。
キラキラしていて、高みを目指していて、サイコー超えようとしていて、私たちファンの応援<エール>に感謝してくれる。
応援にひたすら感謝してくれるのでドルオタには身に余る幸福……と更に応援するとまたありがとう!温かい応援!と返されてしまう恐ろしい応酬がこのプロジェクトでは延々なされている。このありがたさを一度感じてしまうと、もう他の2次アイドルコンテンツでは到底満足できない。

 

そもそも、私は元々Hello!projectだけがアイドルであると考えていた。
Hello!projectだけがアイドルであり、Hello!projectこそがアイドルの形であると。
けれど、ドリフェス!を見て、色々なアイドルの形を知った。アイドルがそれぞれ自分の主義にのっとってアイドルしていることを知ったし、ドリフェス!のアイドル観が日毎大好きになった。ドリフェス!には誰一人としてアイドルを馬鹿にするアイドルがいない。全員が真正面からアイドルってなんだ?と自分が思うアイドルを突き詰めて、時にアイドルを馬鹿にする周囲をアイドル力で虜にしていく。
なんて素晴らしい物語だろう。
私はドリフェス!をアイドル賛歌だと思っている。
ドリフェス!を見ると、アイドルってこんなに素晴らしい職業なんだ!とアイドルが大好きになる。
ボイトレをして、振り入れをして、筋肉を鍛えて、走りこんで、メンバー間で話し合って……このスポ根具合が、私の思うアイドル像にぴったりハマった。
理想のアイドルはHello!projectだけじゃなかったのだ。

Hello!projectが大変な時期も、ドリフェス!を見ることで乗り切った。Hello!projectから立て続けに推しがいなくなっても、ドリフェス!の推しはいなくならなかった。ずっとアニメを見ればそこにいて、アプリを開けば「おはよう。よく眠れたか?」「今夜はぐっすり寝て、また元気な顔を見せてくれ」とファン全員に語りかけてくれた。
アプリ内のドリフェス!アイドル達は決して触れられない位置にいて、常に番組越しにファンを気遣ってくれた。
リアルキャストのライブに行けば、ありえないくらい感謝されたし、ありえないくらい良い曲をめちゃくちゃかっこよくて可愛い男性たちが歌い踊ってなんだかとっても満たされた気持ちになった。
DearDreamとKUROFUNEは絶対にキャスト変更がない。代替わりがない。メンバー加入がない。卒業がない。
それだけを拠り所に、他のどの好きなものが揺らいでも、ドリフェス!を愛した。

 

2次元コンテンツの終了に伴い一旦区切りを打つという言い方は、かなりファンに期待を持たせてしまうと思う。
かつて自分ではどうしようもない卒業に耐えかねた私は、こういう「2次元が続けば活動できるよ」という含みを感じさせる言い方をされると、大変奮い立ってしまう。
あと、メンバーのあんなにつらい顔を見たくなかった。
いつだって勇気付けてくれた彼らが、私をあんなに元気にしてくれた彼らがいまなにかを耐えるみたいに目を赤くして空っぽの笑顔を浮かべてるのに、黙って見ているのか?無理だ。
私だって彼らを元気にしたい。いつも彼らは「ありがとう いつも勇気付けてくれたよね」と歌っていたが、まだお礼を言われるのは早い。待ってろ、いまアプリを延命させてやる。いま劇場版を作ってやる。おばあちゃんが全部なんとかするから待ってなさい。
あいにく私はポジティブ花子なのだ。
数多あるアイドルコンテンツとは違う、この唯一無二のドリフェス!になんとしても覇権を取ってもらわなきゃならないのだ。
ドリフェス!ドリフェス!愛する人だけで囲った夢の箱庭のようだけど、じんわりとその輪を広げて、ドリフェス!愛する人がもっと増えたら良いのにと日々布教を続けてきた。その手をいま止めるわけにはいかない。もっと、もっと広めなければならない。

 

あのお知らせをうける前日、前々日、私は12時間労働していた。シフトに入る直前までDearDreamの「働くお兄さん」を聴いて士気を高めて、なんとかラストまで働いた。退勤するときは「KEEP YOUR HOPE ALIVE」を聴いてまた頑張ろう、今日は寝よう、と思ったし、お知らせをうけた日もバイトだった。友達と直前まで電話して、またラストまで働いて帰宅してパソコンをつけ、友達と電話しながら配信を見た。
正直お知らせをうけてからドリフェス!の曲を聴くのは今はつらい、と思って避けていて、Hello!projectの曲を流していたけれど、たまたま流れる曲がNEXT YOUの「大人の事情」(吉沢亮が出演していたドラマ「武道館」の挿入歌、Juice=JuiceがアイドルグループNEXT YOUを演じた)で大人の事情で私の自由を奪い去っていかないで そばにいたいだけ……と叫びたい気持ちになったり、モーニング娘。歴代リーダーが歌う「WE ARE LEADERS〜リーダーってのもつらいもの〜」が流れて続いていくアイドルコンテンツってすごいな……と涙したり、モーニング娘。'18ユニット曲「もう我慢できないわ〜Love ice cream〜」で溝口琢矢と正木郁に歌ってほしいーーー!!!!!と絶叫したり、もうめちゃくちゃな気持ちになった。
ハロプロの曲の共感性をナメていた。
そうして学校に行けば誰もが心配してくれて、ドリフェス!こんなに好きなのに、と思いの丈を叫んだら無性にドリフェス!の曲が聴きたくなって、流した「Catch Your Yell!」で泣きそうになった。「Up to Speed!」は思い出が詰まりすぎて無理だった。「Future Voyger」でやっと、良い曲だな……と思いながら友達とKUROFUNEってやっぱりヤバいな、と笑いあえて、そのままお菓子を食べながらドリフェス!!!!!!第5話「初めてのバラエティ!!!」を見て爆笑した。披露楽曲も含めて大好きな回だ。

 

1日ぶりに聴いたドリフェス!の楽曲はやっぱり宝箱のようだった。さまざまな思い出がたくさん入っていて、どれも輝いていた。これから新たな曲が生み出されないのか?と思うと、そんなの耐えられなくて、しかも活動を休止してしまうということは、この楽曲たちを聴く機会もなくなってしまうのだ。無理!!!
Hello!projectは過去の解散してしまったグループの楽曲を今のメンバーがカバーすることが多々あって、これはドリフェス!における事務所曲の制度と似ているけれど、とにかくそうやって良い曲はいつまでも歌い継がれるのだが、ドリフェス!の楽曲は誰が歌い継ぐというのだろう?本人たちしか歌えないのに。ファン?それはカラオケっしょ!
正直このことだけでもすごい損失。
しかも、アプリが終わるってことは、これから出るアルバムの曲もプレイできないのだ。
なんだったらまだ「Special YELL!」も「You Are My Rival」も「Whole New World」も「シナリオ」も追加されてないし、書き連ねるだけで動悸が激しくなる。こんなにやり残したことがあるのに、みすみすコンテンツを畳む?無理っしょ!!!!

 

大好きな楽曲をこのままお蔵入りとか、本当にありえないので、私の大好きな宝箱を徳川埋蔵金にさせないために、抗います。
いつかとかずっと愛してるからなにかあるだろうとか悠長なことは言ってられない。よく考えたら5/1 14時から手のひらの中にアイドルがいなくなるなんて耐えられない。とりあえずお問い合わせと課金をした。今まで持ってなかったドリカやプロモーションだっただろうドリカがたくさん出た。音声は全部録画してるけど、全然諦めるつもりはない。今月中ならまだ間に合うはずなので、私は自分の人生のためにあの時あげられなかった「いなくならないで!」の声を精一杯あげます。